「守護者 または宣言の二」

忘れないで欲しい
あなたが 晴れた日の夕暮れを見ている時
あなたは あなたの傍らに立つものと共に それを見ている

彼の姿は大気に幻灯機の像を映すがごとく空しく
しかし微かにその言葉は捉えられるかもしれない
それを風の囁きと あなたが聞き逃したとしても

彼は笑っているだろう それもいつもの事なのだから
これまで辛抱強く ずっとあなたの傍に居たのだから

守護するものの役割とは
美しいものを 美しいと思わせる事
生命とこころと風景に受ける感銘を失わせぬよう
彼等はその両手で あなたを包んできた

生まれた時から

あなたがどうしても他者の輝きを許せなかった時
どうしようもなく言葉を翻さねばならなかった時
そして罪を犯した時
あなたを包む彼の両手は 遂に解かれる事はなかった






  人は 神ではない


孤独は仕方のない事かもしれない
ただ矮小と思って欲しくないのだ
みにくいいきものと あなたがあなたを諦める事を
彼は誰よりも おそらくはあなたよりも 悲しむだろう

だから彼は夕暮れに立つ

夕暮れに 花に 雨上がりの雲間に 
そしてちいさきいきものたちの前に

人の世の法と不平等と理不尽に翻弄され
こころの道徳を失いかけた時
彼等は その瞳に涙を甦らせるため
あなたの前に かくあるものたちを

遣わすのだ それが幾度とあろうと




だからせめて忘れないで欲しい

あなたが 世界を美しいと 今一度思う時
あなたは あなたの傍らに立つものと共に それを見ている