「宣 言」


これは 真正(しんしょう)なる憐れみの思いである
さかしきものよ 笑う事を止めよ



野の獣を 見るが良い

彼等は日々 他のものを
殺めて喰うのだ 雨が降ろうと  風が吹こうと
彼等は喰うのだ 残酷であろうと 非道であろうと

喰わねば死ぬから 喰うのだ

その罪を負う彼等は 笑わない
笑わぬ事が 天への贖罪(あがない)である

喰わずに死なぬ術を持たぬ 己の無知を
彼等は悼(いた)み 笑わない



これは 真正なる憐れみの思いである
さかしきものよ 笑う事を止めよ



人の世もまた 獣の道から逃れる術無く
幾つかの罪と 幾つかの争いを
絶える事無く 続ける業の深さであるなら

せめて笑う事を 止めねばならぬ

真摯であれ
残酷であろうと 非道であろうと

そのさかしさに 頬緩ませるもの達からは
我等はもはや背を向けて行く
霊とともに 背を向けて行く

我等は 争わぬ 口論はせぬ 非道も正さぬ
ただ 背を向けて行く

我等は 霊に学び 獣に学び 星に学ぶ
さかしさゆえに 学ばぬもの達からは
我等はもはや背を向けて行く



ただ 行く前に 今一度だけ伝える言葉は
まったき真正なる憐れみの思いである

さかしきものよ 笑う事を止めよ