「女帝 EMPRESS」

その森は、一人の女性が管理していた。
森に実る果実は、味が良く、近隣の村々にも好評であった。

その中の一つの村に住む若者が、
ある日、森の彼女に頼みに出掛けた。
「私もその果実を育ててみたい。苗を分けて頂けないでしょうか?」
「いいですとも。大事に育てて下さいな」

彼は、一本の苗木を受け取り、
村で育てる事にしたのである。

「ぜひ、あの森の果実より、美味しいと言われる実を実らせよう」

彼は、一生懸命世話をした。
今まで育ててきた他の作物には目もくれず、
堆肥を与え、水を欠かさず、
夏の暑さから守り、こまめに雑草を払い、虫を駆除した。

そして秋には、木には沢山の果実が実った。

しかし、その全ては
彼女の森の果実に、遠く及ばない味だったのである。

「どうしてなのだろう?」

若者は理由が分からず、森の彼女に答えを求めた。
「あらあら」
そういって彼女は優しく笑った。

「あなたは、そんなにあの苗を、甘やかせて育てたの?」
「え?」
「それでは、苗も怠けてしまったでしょうね」
「・・・・・・・」

「あなたの土地に合うように、普通に育ててあげたらよろしかったのに」
「あれほど世話をしたのが、良くなかったのですか?」

彼女は答えた。
「あなたは、あなたの子供も、そのような育て方をなさるつもり?」

『過ぎたる保護は、しばしば放任よりも悪い結果を生む』

若者は次の年より、
苗を、他の作物と同じように育てた。
その秋に収穫した果実は、森のそれとは違う味だったが、

それはそれで、近隣に良く売れたと言う。


カードの真意「収穫・保護・母性」


「女帝」です。
前の「女教皇」でもそうなんですが、
ほんとうに男は女に学ぶ事が多いですね^^;

カードの意味合いとしては、
1と2から3が産まれるという事も含めて、
「収穫」とか、「出産」とか、「発展」とか。
だいたいが「安定した成長」を意味するカードです。

そういう成長のしかただから、
一見外面には見えにくいものだったりする事も確か。
それは例えれば「母親の愛情」に似たところがあるのかも知れない。
「ほわっ」とした空気のように包まれての、成長です。
決して急激なものではない。

大体この「女帝」に限らず、大アルカナで「女性」が描かれているものは、
本人には気付きにくい「効果」を象徴するものが多いですね。
「力」とか、「星」とか。
でもそれは確実に周囲に展開するカードに影響を与えます。

やはり最も結びつき易いのは「ペンタクルス」のカードでしょう。
事業は順調に発展するはずです。
評価・報酬も正当なものがかえってくる。
「収穫」です。
私としては、「ペンタクルスのクィーン」とこの「女帝」は、
意味合い的にほとんど同じと見ています。
あとはその影響が本人止まりなのか、周囲にまで派生するのかで、
どちらが出るのかが決まる、と。

愛情面でも十分に安定しています。
人によっては退屈かも知れませんが^^
みんな「ぜいたく」ですよねぇ。

これが逆位置だと、
先ほど言った「空気」の「澱み」を感じる。
ですから、最も出てはいけないのは「現在」の位置です。
おそらくそこからの未来は、

しばしば「ソード」や「カップ」の悪いカードに
現れる場合があります。
それは「女帝」では「閉塞感」「圧迫感」となって現れます。

真綿で首を絞めるようなじわじわとした失敗の予感。
こういうのは目に見えるアクシデントよりきついものがある。
「現在の計画や行動の指針に甘えがある」から、
それが未来に悪影響を与えるんですね。

まぁこのカードに限らず、現在進行形で大アルカナの「警告」が出る時は、
今の状況を本当にしっかり検証しなければいけません。

そうやって占いは活用しましょう^^

相手の女性に出た時は、「母性」の強い方と言う事になるのですが、
以外と、本人は甘えんぼが多いような^^
これは、経験上ですが。


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